研究室の紹介
浅野 憲一
筑波大学人間系、教授 (心理学類、心理学学位プログラム 担当)
博士(心理学)、公認心理師、臨床心理士
認知行動療法スーパーバイザー、認知行動療法師
これまで主として、認知行動療法の実践と研究に取り組んできました
加えて2015年頃より、コンパッション・フォーカスト・セラピーの実践と研究に取り組んでいます
精神疾患やメンタルヘルスの問題を臨床心理学の観点から理解し
より良い支援方法を開発することを目指しています
学歴
青山学院大学 文学部 心理学科
筑波大学 人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻
ダービー大学 コンパッション・フォーカスト・セラピー準修士課程
職歴
東京成徳大学 応用心理学部 助教
千葉大学子どものこころの発達教育研究センター 特任助教
目白大学心理学部 専任講師
筑波大学人間系 教授(現在)
臨床歴
つくば市 心の教室相談員/スクールサポーター、私立中高一貫校 相談室カウンセラー、心療内科クリニック 心理士、国立大学学生相談室(カウンセラー)、国立大学医学部付属病院 認知行動療法外来 心理士、こころのドア船橋 臨床心理士、池袋カウンセリングセンター カウンセラー、国立精神神経医療研究センター 認知行動療法センター 客員研究員 など
好きなもの
the pillows、The Birthday、The ピーズ、HIGE、Grapevine、Nico Touches the Walls、奇妙礼太郎、内田万里などの音楽。鹿島アントラーズ。
コンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)の開発と効果検証
英国で開発されたコンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)という心理療法の効果検証を行っています。元々は恥や自己批判が強い方向けの心理療法として開発されましたが、近年は難治性の精神疾患に対しての効果検証が主に海外で進められています。
私たちの研究グループではこれまで、以下の2つのテーマに注力してきました。
①難治性うつ病に対する集団CFTの開発と効果検証
②うつ病と不安症に対する個人でのCFTの開発と効果検証
現在は、小児逆境体験を経験したうつ病及び不安症の方へのトラウマに配慮したCFTプログラムの開発に取り組んでいます。
ダービー大学のコンパッション・フォーカスト・セラピーの訓練コースにて
コンパッションに関する調査研究
CFTの研究と関連して、コンパッションに関する調査研究にも取り組んでいます。
コンパッションとは「自分や他者の苦しみや痛みを感じ取り、それをなんとかしようとする」心の機能のことです。私たちの中でコンパッションがどのように働き、メンタルヘルスを改善してくれるのか。あるいは、どんな要因によってコンパッションが働かなくなってしまうのかを明らかにするための調査を行っています。
そのため一連の研究には、コンパッションだけでなく、自己批判、恥、コンパッションへの抵抗感といったネガティブな要素も含まれますし、安心感や信頼感といったポジティブな要素も含まれています。
これらのテーマについては国際共同研究を積極的に行っており、コロナ禍では21か国での国際調査に参加しました。その後も、クイーンズランド大学(オーストラリア)やノッティンガム大学・ダービー大学の研究者と共同研究に取り組んでいます。